看護研究発表会レポート
2025年12月5日(金)
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| 会場B(大講義室1) |
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2025年12月5日、4年生による看護研究発表会を開催しました。3年次の終わりから各自取り組んだ研究の成果を、他の4年生や下級生、教員の前で全員が発表しました。今年度の4年生は、本学の1期生であり、記念すべき第1回の研究発表会です。
丁寧な発表と活発なディスカッション
発表会は坂元昇学長による挨拶から始まりました。全員が集まって発表まで行われる事例は珍しいことに触れ、自身も学生時代の研究発表の経験が今の仕事の礎になっていると述べました。その上で「実践や研究は、医療職として長きにわたって支えとなるものです。今回の経験は、現場で課題に向き合ったときに、自ら考え、行動する力として必ず生かされます。4年間の集大成として発表に臨んでください」と4年生を激励しました。
4年生92
名の発表は、3会場に分かれて行われました。持ち時間は1人7分。座長やタイムキーパーも4年生が交代しながら務めます。
1、2年生も全員が発表を聞きに参加しました。それぞれ、演題の一覧から興味のある発表を選んで聞くことができます。実習期間中の3年生の中にも、時間をつくって駆けつけた学生がいました。
緊張の面持ちで登壇する4年生ですが、誰もが、研究の背景、目的、方法、その結果や考察、今後の課題を順序よく整理しわかりやすくまとめています。7分という短い時間でポイントをきちんと伝えられるよう、スライドと話し方を工夫して何度も練習を重ねたこともうかがえます。
質疑応答では、会場から積極的に質問が上がり、活発なディスカッションもみられました。






協力者探しや分析、考察面では壁にぶつかることも
発表を終えた4年生に話を聞くと、実習で抱いた疑問や自分自身の経験から、研究テーマは自然に絞っていけた人が多かったようです。一方、アンケートの回答者や研究協力者を集めること、専門的な分析方法を身に付けること、結果が予想と異なったときの対処方法などで、難しさを感じた学生が目立ちました。
壁にぶつかったときは教員に相談すると、丁寧にアドバイスをもらえて、最終的な発表まで辿り着けたと、どの学生も教員への感謝の言葉を述べていました。
研究の基礎を学べたと同時に、成果を伝える力、質問に対する対応力も身に付けられたという声もあり、今回の研究成果を、就職後にもよりブラッシュアップしていきたいと、意欲に燃える学生もみられました。
参加した下級生からは、「患者さんや病院の現場での研究をイメージしていたが、福祉施設や地域のつながりに関するテーマもあって興味深かった」「研究の背景や対象者の絞り方など、とてもわかりやすく説明されて、漠然としていた研究のイメージが少し具体的になり、自分でもやってみたいと思えた」といった感想が聞かれました。
朝9時過ぎから開始された発表会は、16時過ぎに全ての演題を終了し、長い1日を終えました。閉会式では、2年生と4年生の代表者からの感想の言葉と挨拶がありました。さらに、副学長の齋藤寿昭教授は「皆さんの研究内容が深く、文献検索、分析、統計処理等、研究手法もとても立派でした。私自身も質問したいことが多くあり、大変勉強になりました。この研究を看護実践の第一歩として、探究心や振り返りの視点を現場で役立ててください」と講評。同じく副学長の荒木田美香子教授は、開学に向けたカリキュラム開発時のことを思い出しつつ「研究から発表までを必修とするのはチャレンジングだと思いながら、同時に大きな期待をしていました。本日の発表を聞いて、本当に素晴らしく、このカリキュラムに間違いはなかったと確信できました」と話しました。


3年次から段階的に進め、少人数の手厚い指導体制
今回の研究発表は、4年次から始まる「看護研究
」の一環として行われました。3年次の前期に「看護研究法概説」を受講し、看護研究の基本的な組み立て方を学び、研究計画書の作成まで経験します。3年次の1月ごろには、9つの領域のうちから、それぞれの興味関心にしたがって研究領域を選んでゼミの所属を決めます。実習を終えた3年生は、その経験から得た課題意識を領域選択に生かすようです。
各ゼミでは4年次前期に「看護研究Ⅰ(基礎)」、後期に「看護研究Ⅱ(発展)」を受講して、テーマの設定から研究計画書作成、研究の実施、論文執筆、発表まで、全員が行います。教員1名に学生3名程度の指導体制が敷かれ、はじめて研究に取り組む学生に、手厚いサポートがなされます。
そのまま学会に出せるような研究で、素晴らしい成果が出せました
大学によっては、看護研究の実施が必修ではないところもあります。しかし本学では、研究計画の立案から成果の発表に至るまでの一連の過程を、あえて必修としています。この経験を通じて養われる論理的思考力や多角的な視点は、将来、多職種と連携しながら患者さんにとって最善のケアを模索する際の重要な基盤になると考えています。また、臨床現場で生じる疑問や課題に対して、自律的に探究する姿勢を育むうえで、この一連の研究プロセスを最後までやり遂げた経験は、ひとつの支えになるものと考えています。
3年次の終わりから取り組んで、12月までという短い期間で、ここまでの成果を出すのは決して簡単ではありません。今日の発表は、このまま学会に持っていけるような出来のものばかりで、皆さん本当に頑張ってくれたと思います。
発表後の質問が多く出たことも素晴らしい成果です。発表者も質問者もお互いに知識や思考が深まり、今後のさらなる研究にもつながるでしょう。研究内容だけでなく、わかりやすいスライドのつくり方などは、他の人の発表を見て学ぶことも多かったと思います。入職後にも、研究発表の機会はありますから、その際にはぜひ今日学んだ「伝える技術」も生かしてほしいです。
1期生の発表会が成功に終わり、ほっとしているところですが、次年度に向けた改善も検討しています。たとえば、教員1名に対し学生3名程度という指導体制は、学生一人一人に目が届きやすい一方、多様な視点に欠けることもあります。希望者は低学年からゼミに参加できる制度や、大学院生がディスカッションに入って後輩の研究にコメントする企画などを考えています。
今後、発表を終えた4年生に、負担になった部分などを聞き取り、より良い研究ができる環境を整えていくつもりです。
(卒業研究科目責任者:廣川聖子教授)

