第3回 地域と学生の交流会
聴いて、語って、つながろう

幅広い世代で語り合う「人生で大切な物」
2023.12.17

第3回 地域と学生の交流会は12月17日(日)の13時から20数名の地域の方々を本学キャンパスにお招きして開催しました。前回も参加された方を含め、近隣の住民や商店主の方々、また川崎市をホームタウンとするプロサッカークラブ(Jリーグ)「川崎フロンターレ」職員の方にも参加していただきました。本学学生も前回参加したメンバー、初めて参加するメンバー共にずっとこの日を楽しみにしており、開始前や休憩時間なども地域の方々と楽しそうに語り合う姿が見られました。

世代を超えたグループワーク
「12歳の時、今、天国で大切な物とは?」

「地域と学生の交流会」のメインイベントは与えられたテーマについて年齢と立場を超えての討議と発表です。今回のテーマは「人生会議をしてみよう!~12歳の時、今、亡くなった後 あなたの大切な物は何ですか~」です。

参加者は学生を含む7~8名のグループに分かれ、まずは自己紹介からスタート。その後、ピンクの付箋に3分間で思い浮かんだ「12歳の時に大切だった物」を2つ以上書き、続く15分で一人ひとりがグループ内で記載内容の情報共有を行います。メンバーには学生の親や祖父母の年代の方もいらっしゃいます。12歳の時大切だった物=子どもの頃、大切に思っていた物には昭和の時代の「ベーゴマ」「フラフープ」「ランプ」など、学生には意外な物もたくさん含まれていました。一方で「自転車」「本」「マンガ」「服」など共通する物もいくつかあり、グループ内のやりとりの中でその違いと共通項がともに相手を知るために重要であることを学生たちは学んでいました。

続いて「今の自分に大切な物」「天国で大切な物」に関しても、同じ要領でそれぞれ青と黄色の付箋に記して討議とグループ内共有が行われました。「今」に関しては物に込められた思いについての会話が盛んに交わされ、「天国」に関しては複数の方が生前の思い出を語り合うアイテムとして「写真アルバム」を上げられていたのが印象的でした。

今回のテーマで「物」にこだわったのは、一人ひとりの「思い」をカタチとして残すことの大切さを感じると共に、世代と時代を理解するきっかけとして「物」の重要性に気付いてほしかったからという意図がありました。各グループでの討議を聴いていると、その意図は参加者に十分伝わっているように感じられました。

話し合いの「まとめ」は、
力を合わせて「作品」づくり

休憩を挟んで最後は5グループそれぞれの「まとめ」です。話し合いの結果を1枚の大きな紙を使って自由な発想で「作品」として表現します。すでに各グループとも世代を超えてすっかり打ち解け、リラックスした雰囲気の中で分担しながら作品を創りあげていきました。

12歳~今~天国という時間軸を中心に「大切な物」の推移を表現した作品、季節柄「大切な物」を飾り付けたクリスマスツリーに見立てたイラストを中心とした作品、絵が得意なメンバーが描いた全員の似顔絵をあしらった作品など、それぞれがユニークな視点での表現とプレゼンテーションを行いました。他グループの発表に感心したり、驚いたり、共感したり......

さまざまな世代や立場、人生観を持つ方々と長時間にわたって「大切なこと」について話し合った経験は、学生にとっては地域とともに歩む看護者像を描くための大きなヒントになったことでしょう。地域の方々も口々に「とても楽しかった」「また学生さんと話したい」と笑顔で家路につかれました。      

今年度以降も内容・回数ともども改善を重ねて、より充実した「地域と学生の交流会」を開催していく予定です。

会の終わりに

交流会の終わりに、各グループで集合写真を撮影しました。
皆様、ご参加いただき、ありがとうございました。

地域の方より

Ni さん 小倉町内会

昨年の「地域交流会」に参加してとても楽しかったので今年も参加しました。学生さんたちは地域のお祭りにも積極的に参加してくれ、また自分の娘が看護師として働いていることもあり、地元にある川崎市立看護大学にはとても親しみを感じています。「地域交流会」では孫の世代である学生さんたちとそれぞれの考える人生について語り合いました。今回は前回以上に学生さんたちがうまく私たちをリードしていただき、とても面白い発表ができたと思っています。そんな素晴らしい学生の皆さんにこの町をもう一つの故郷として思っていただけるよう、これからもできる限り交流を続けていくつもりです。

I さん 株式会社川崎フロンターレ

地域と共にあるプロスポーツクラブの一員として今回「地域交流会」に参加させていただきました。まず驚いたのは学生さんたちが私たちのような年の離れた世代とのコミュニケーションに長けていたことでした。幅広い世代で構成されたグループにも関わらず、とても話が盛り上がったのは、学生さんたちのおかげだったと思います。私にとっては「地域」「健康」をキーワードにした川崎フロンターレと大学とのコラボレーションの可能性を感じた一日となりました。学生の皆さん、これからも一緒により楽しい川崎をつくっていきましょう!

地域貢献委員会レポート

楽しみながら、学ぶ。
話し合って、つながる。

Hさん 2年 地域貢献委員会委員(福島県出身)

入学してすぐに学生による「地域貢献委員会」の存在を知りました。この団体は学生が主体となり、地域の一員として地域貢献する活動を展開しています。「地域と学生の交流会」は昨年に続き2回目の参加となります。1年生だった昨年は少々緊張気味でしたが、今回は参加者に顔見知りの方がいらっしゃることもあり、コミュニケーションを楽しみながら参加することができました。
幅広い世代の方々とお話をすると価値観や考え方のギャップを感じます。しかし、そのギャップはそれぞれの方が生きてきた時代を知るための重要なヒントであり、将来は地域包括ケアシステムの一員として働くことを目指す私にとっては重要な学びの機会でもあります。今後も積極的に地域交流を図っていくつもりです。

Nさん 1年 地域貢献委員会委員(神奈川県出身)

この大学に入学してまず感じたのは先生方の親身さとあたたかさ。そんな先生方をお手本にして私も将来、患者さんの気持ちにより添える看護師になりたいと思っています。地域貢献委員会に入ったのは「この大学でなければできないことをやりたい」と思ったからです。委員会の先輩方が楽しそうに活動されている姿を見て、自分もぜひやりたいと思いました。これまでに地域のお祭りなどにも参加し、子どもから高齢者まで、さまざまな方と楽しく交流してきました。 「地域と学生の交流会」でもすでに見知った方々が参加されており、最初から楽しくお話しできたのが良かったです。今回のテーマでは人それぞれの「死生観」に触れることができたのはかけがえのない体験となりました。来年もぜひ参加したいですね。

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