公開講座 Public Lecture Series

本学は、地域包括ケアシステムの一部を担うという観点から、
地域の人々の健康の保持増進に役立つ場と知識を提供するために、
市民公開講座を実施しています。

2023年11月12日(日)
『慢性疾患とつき合いながら地域で自分らしく生活するコツ』

講 師 川崎市立川崎病院
腎臓内科 部長
安藤 孝 先生

NPO法人神奈川県腎友会
川澄 弘喜 様
中原 美穂 様

4年制大学として2回目の公開講座を開催しました。
昨年度の参加者から寄せられたご意見をもとに、本年度は「慢性疾患とつき合いながら地域で自分らしく生活するコツ」をテーマに、3名の方にご講演いただきました。当日は雨天にもかかわらず、42名の方にご参加いただきました。

第1部では、川崎市立川崎病院 腎臓内科部長の安藤孝先生より、「透析療法の現状と課題」についてご講演いただきました。医学的な視点から、腎臓病の現状、慢性腎臓病に対する治療、望ましい生活習慣、腎臓が悪くなったあと(腎不全)の治療として、透析療法や保存的腎臓療法についてわかりやすく説明をしていただきました。望ましい生活習慣では、自宅での血圧測定や適切な体重管理、服薬管理、食事療法、運動療法の重要性、ストレスへの対処方法についても丁寧に解説いただきました。

第2部の講演では、NPO法人神奈川県腎友会の会員であり、実際に透析療養をされている川澄弘喜様と中原美穂様に、日々の暮らしや透析治療に関するご自身の体験についてお話いただきました。

川澄様は、週3回の血液透析をしながら、介護支援専門員(ケアマネジャー)の仕事をされており、最近では大学院に進学し、経営情報学修士号(MBA)を取得されました。困難と思うこともやってみれば「意外とできる」という力強いメッセージとともに、疾患と上手に付き合いながら自分らしい生活を送るためのヒントをお話しいただきました。

中原様は、医療機関ではなく自宅で血液透析を行う「在宅血液透析」という治療をされており、当日は、ご自身が自宅で血液透析を行っている動画を上映してくださいました。在宅血液透析をされている方は全国的に少なく、参加者は普段見る機会のない透析の様子を真剣に視聴されていました。体調や自分のライフスタイルを考えた治療選択の大切さや、透析を通じてかけがえのない友人が増えたことなどの透析をして良かったことについてもご紹介くださいました。

【参加者の声】

当日は、10代から80代以上の方まで、幅広い世代の方にご参加いただきました。
参加者のアンケートでは、「講座の内容は期待通りだったか」の質問に対して9割以上の方が「期待通りだった」もしくは「概ね期待通りだった」と回答されていました。
アンケートの自由記述欄でご回答いただいたご意見・ご感想を抜粋してご紹介いたします。

<皆様からのご意見・ご感想>

  • (病気について)詳しい説明を聞き、基礎的な知識を得ることができた。とても勉強になった。
  • 「自分らしく、自分なりに、楽しく過ごす」という言葉が心に響いた。
  • 「自分自身があっての透析」というのが印象的だった。
  • 在宅透析を実際に行う様子を動画でみられてとても良かった。
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